〜バルブメーカーが取り組む、設計ノウハウ検索のDX〜
岡野バルブ製造株式会社 様

導入効果サマリー
課題
・過去の技術文書/ノウハウを参照する場面が、ほぼ毎日のように発生していた
・手配情報から候補を絞り込めても、ドキュメントを開いて内容を確認するまで、自分が探している資料なのかを判断できなかった
・情報の探し方に経験差が生じやすく、担当者によって検索にかかる時間にばらつきがあった
解決策
・図面・技術文書を「構造化」し、キーワードだけでなく、仕様条件からも検索できる環境を構築
・ミラリンクのエンジニアが現場に入り、実現可能な範囲を明確にしながら導入を伴走
効果
・技術文書を開かずに検索・絞り込みができるようになり、確認までの手間を削減
・経験や知識の差にかかわらず、誰もが必要な情報にたどり着ける環境を実現
・標準文書の整備を進めるきっかけとなり、ナレッジ基盤の強化につながった
・AI活用への関心が部門全体に広がり、社員の意識変化につながった
岡野バルブ製造株式会社 様は、1926年の創業以来、100年にわたって発電プラント向けの高温高圧バルブを一貫して手がけてきたメーカーです。発電所ではプラントの至る所を蒸気が流れており、その蒸気を制御するバルブは、設備の安全と性能を支える中核部品にあたります。同社は温度と圧力の条件が厳しい領域を強みとし、原子力・火力の両分野で長年にわたり実績を重ねてこられました。
本記事では、「タグっと」の導入に至った背景と現場での活用状況について、設計グループおよび技術グループのご担当者様にお話を伺いました。
設計・技術部門の役割を教えてください。
ご担当者様:
技術を統括する部門の中に、技術グループと設計グループがあります。
技術グループは、お客様の仕様を受けて「どういう設計になるか」をまず検討する役割です。社内の標準や過去の実績図面が使えるのか、そのまま使えるのか、それとも新しく起こす必要があるのかを検索して確認します。
設計グループは、社内に流す図面をつくる役割です。技術グループでの検討を経て相談が来て、流用できる場合は既存の図面を出しますが、そうでない場合は設計グループで新しく図面を起こします。
当社が手がけているのは発電用プラントのバルブなので、製品は大きいものが多いです。小さいものは15ミリくらいから、大きいものは人の背丈を超えるものまであります。主力は口径25センチくらいですね。
タグっと導入前の課題を教えてください。
ご担当者様:
過去の技術文書を参照する作業は、図面を含めほぼ毎日発生します。
バルブについては手配情報をシステムに入れていて、40年以上分のデータが蓄積されています。それより古い紙の資料もスキャンして保存済みです。ですから「データがない」ということはないんです。
ただ、探すときの手がかりは材料や部品名称からになります。寸法などの基本情報は手配情報にありますが、そのドキュメントが今回の仕様に本当に使えるかどうかは、開いて中身を確認するまで分からないんです。だから1件に時間がかかることもありました。
文書管理システムを導入した際に、紙しかなかった資料もすべてスキャンしてファイルサーバーに集約しました。基盤としては整っていたのですが、登録のたびに属性データを付けていく運用だったので、「もっと自然な形で探せるようになれば」という思いは以前からありました。
探し方に経験の差が出る、ということもあったのでしょうか。
ご担当者様:
ありました。長く携わっているメンバーは勘所が分かっているので早いのですが、新しく入った社員や異動してきた社員だと、どこから当たればいいかの見当をつけるところからになります。そこに差が出やすい構造でした。
限られた時間の中で進めるので、「もっと適したものがあるかもしれない」と思いながらも、時間で区切らざるを得ないことはありました。そこは正直、もどかしさがありましたね。
せっかく社内に蓄積してきた設計資産があるのに、それを十分に活かしきれていないという感覚は、部門として持っていました。
「AIで技術文書/ノウハウを検索する」と聞いたときの最初の印象はいかがでしたか。
ご担当者様:
正直に言うと、最初は半信半疑でした。
ただ、話し合いを重ねるうちにAIへの期待がどんどん膨らんでいきました。ちょうどChatGPTが盛り上がっていた頃でもあり、「こんなことができるのか、うちにもようやくこういうシステムを入れられるのか」と。
当初は課題が多く難しさもありましたが、それがだんだんブラッシュアップされていって、特に最近は的を射た回答が返ってくるようになったと感じています。
現在の活用状況を教えてください。
ご担当者様:
図面検索については、設計グループの担当者がすでに実際の業務で使っています。
もう一つの検証中のノウハウ検索も、すでに実務で使えるレベルまで来ています。今は設計標準を対象にしているのですが、正しい答えを導き出してくれます。「こういう基準を参照するとよい」という案内が返ってくるだけでも十分に助かります。

予想外の効果はありましたか。
ご担当者様:
使ってみると、社内の標準文書をより充実させていく余地が見えてくるんです。これは想定していませんでした。
タグっとは参照先を的確に示してくれるので、そのやりとりを通じて「ここのドキュメントはもっと整備しておいた方がいい」という気づきが出てきます。標準文書の整備は継続的に取り組んでいるテーマですが、どこから手をつけるべきかの優先順位が見えるようになったのは、思わぬ収穫でした。
ミラリンクの進め方についてはいかがでしたか。
ご担当者様:
「これは一緒にやります」「これは御社でやってください」と明確にしてくれたことが良かったです。
そして実現するための明確なロードマップが引かれている。実際に一緒に進めている感覚があります。こちらが厳しい要望を投げても、真正面から受け止めて返してくれるところもありがたいですね。
当社は独自に構築してきた設計・文書管理の環境を使っているので、汎用的な仕組みがそのまま当てはまるわけではありません。そこをしっかり理解したうえで対応してもらえたのは大きいと思っています。

今後の展望を教えてください。
ご担当者様:
従来は人に聞いて解決していたことも、今後はすべてタグっとに聞けば分かる状態になれば、もう手放せない存在になると思います。まるで、ベテランがもう一人いるような感覚ですね。
AIの進化はすごいですから、そうした技術の進化を取り込みながら、常に最新のタグっとであり続けてくれると嬉しいですね。

同じ課題を持つ製造業の企業へメッセージをお願いします。
ご担当者様:
過去のデータがサーバーの中に眠っていて、有効活用できていない企業は多いと思います。それをタグっとが探して答えてくれるようになれば、技術伝承も含めて前に進むのではないかと考えています。
人に頼りきりのやり方は、もう通用しなくなってきています。社内に蓄積されている情報を引き出して活用し、さらに次の世代へ引き継いでいくことが大事です。しかも、できるだけ手間をかけない方法でやらないといけない。どこの企業も抱えている課題だと思うので、タグっとはそれを解決できるツールになり得ると思います。
少し違う観点になりますが、タグっとの取り組みを通じて新しい気づきがとても多くありました。
これまでAIやITシステムにあまり関心のなかったメンバーも、一緒に進めていく中で「こういうのいいですね」と言うようになりました。「この人はあまり関心を持たないだろう」と思っていたメンバーが、実際に触ってみると「次はこれもできますか」と前に出てきたり。
取り組みを通じて社員が時代の流れについていこうと前向きになってきたことが、何より良かったと感じています。


佐取 直拓
設計AIエージェント「タグっと」は
過去のノウハウを漏れなく検索し
FMEAの作成で多発する
「属人化」「情報のヌケモレ」を解決します!
「タグっと」の導入・活用についてご相談いただけます
自社の課題や活用方法、トライアルについてお気軽にご相談ください。
